専門研修ブログ

茨城県水戸市にある水戸済生会総合病院の専門研修を紹介するブログです。
初期研修を終えて、自分の専門領域を選ぶ際の参考になる情報や、その領域なら知っておくべきトピックなどを紹介していきます。

PTEにはPESIスコア

2025.06.30
カテゴリー: 循環器

前回の記事では、PTE患者のうち外来加療が可能かを判断するのにPESI/sPESIスコアが用いられることを紹介しました。そこで今回は、これらのスコアについて紹介します。

 

PESIスコアとは、2005年に発表されたPulmonary Embolism Severity Index( 肺塞栓症重症度指数)のことで、「ペシスコア」と呼んでいます。sPESIスコアはsimplified PESIのことで2019年に発表されたPESIスコアの簡易版です。いろいろなスコアの中でも、PESI/sPESIは本邦のガイドラインだけでなく、国際的なガイドラインにも記載されていて、広く普及しています。

 

特にsPESIは一般的な患者背景とバイタルサインの6項目のみなので、速やかにベッドサイドで判定できるメリットがあります。さらに日本人でもリスク評価を適切に行えることが検証されています。重症患者の選定だけでなく、前回の記事で紹介したように外来治療を考慮する軽症患者の選別に用いられることも多くなっています。

 

<PESI/sPESIスコア>

 

さらに近年では下図のようにPESI/sPESIに加えて血行動態、画像所見およびバイオマーカーを組み合わせて、重症例から軽症例をより詳細に4群に分類する方法が専門診療科を中心に広く普及しています。

 

<血行動態,画像所見,バイオマーカーおよびPESI/sPESIスコアによる急性PTEの重症度分類>

 

(出典:2025 年改訂版 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症および肺高血圧症に関するガイドライン)

(編集長)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

水戸済生会総合病院の臨床研修は

総合診断能力を有するスペシャリスト

を目指します

 

◆水戸済生会での専門研修に関するご質問はこちらへ!

どんなことでも問い合わせフォームからご質問ください。

また、各診療科の専攻医にZoomで質問できますので、その旨もお知らせください!

お問い合わせフォームはこちら